【解決事例5】遺産分割協議を行い、口頭で合意が成立したが、遺産分割協議書を作成していなかった事案

事案の概要

親の死亡に伴い子5人で遺産分割協議を行い、口頭で合意が成立したが、遺産分割協議書までは作成せず、金融機関の所定の払戻請求書で預金の払戻しを受けていた。

しかし、その後5人の仲が悪くなり、相続人の一人が「遺産分割協議は成立していない。」と前言を翻し、払戻しを受けたお金の法定相続分相当の返還を求める訴訟を提起された。

これに対し、口頭とは言え合意=遺産分割協議が存在することを主張して応訴した。

 

事案の問題点

遺産分割協議書が作成されておらず、5人の話し合いの内容について様々な情況証拠から立証して行くことを余儀なくされた。

 

解決のポイント

金融機関は数社あり、それぞれ払戻請求書等の書式が異なっていたが、それらの記載を精査して、その意味内容、各金融機関内での位置付けについて確認を行った。

すると、一部については遺産分割協議が成立したことを前提に交付される書式であることが判明した。

また、同時に行われた自宅土地建物の移転登記手続や、関係者の証言等、数多くの情況証拠を収集した結果、正式な協議書は無いものの、口頭での合意=遺産分割協議が存在することの立証に成功した。

【解決事例5】遺産分割協議を行い、口頭で合意が成立したが、遺産分割協議書を作成していなかった事案