葬儀等で緊急にお金が必要になった場合はどうしたら良いか

葬儀やその後の49日法要を執り行い、墓石を用意して墓地に埋葬するなど、どうしてもこの時期は多額の現金が必要となります。

近時は、故人が生前から特定の葬儀業者と契約をし、葬儀費用等を積み立てておく制度(互助会)もありますが、そのような契約を締結していないのであれば、やはり状況に変わりはありません。

また、金融機関は口座名義人の死亡を確認した時点で、口座使用を凍結することが多く、凍結を解除して現金を引き出せるようにするためには、原則として法定相続人全員の承諾が必要となり、事実上、葬儀費用の支払いに充てることが困難な状態となります。

このような場合に備えて昔から行われているのが、故人の亡くなる直前辺りから、近親者が故人の預金通帳から預金を引出し、手許にプールしておく方法であり、大変な時期を乗り切るためには、このような方法もやむを得ないと思われます。

但し、この時期に引き出した現金の使途を明確にしておかないと、後々法定相続人間で「あれは何に使ったのか。」「実は一部を自分の懐に入れたのではないか。」などと争いに発展することがあります。使途については、キッチリと領収書等を揃えておきましょう。

なお、葬儀に関連する各種領収書については、後々相続税の計算や遺産分割協議において活用することがありますので、その意味でも領収書を保管しておく必要があります。

また、生命保険金については、法定相続人全員の同意など無くても、受取人に指定された者一人の手続きで容易且つ迅速に受取ることが出来ます。この「手続の容易さ・支払の迅速さ」は、銀行預金と比較した場合の生命保険の優位性であることは事実であり(無論、銀行預金が優位な面もあります。)、近時はこれを売り文句とすることも多いようです。

葬儀等で緊急にお金が必要になった場合はどうしたら良いか