私には子供がおらず、お墓を引き継いでくれる人がいません

これについては、子がいないために①兄弟姉妹が相続する、②同じ名字の一族がいなくなる(「○○家」が途絶える)、③一族全てが途絶えるなど、様々なケースが含まれています。

また「自分を心から弔ってくれる人がいなくなる(墓守がいなくなる)。」という意味を含む場合もあります。

まず、祭祀承継とは遺産分割とは異なる制度で、法定相続人の中から祭祀承継者を選ぶ必要は無く、被相続人との身分関係、事実上の生活関係の緊密さ・親和性、祭祀承継者の意思や能力等から総合的に判断することが許されます。

ですから、たとえ法律上法定相続人に該当しない場合であっても、同一の名字で「○○家の当主」にふさわしい人物であれば、その人を祭祀承継者とすることに何ら問題は無い訳で、むしろそれが古くからの慣習に合致している場合も多いでしょう。

一方で、墓地に関する祭祀承継について「同じ名字」に限定する必要性も無いのですから、結婚等で姓が変わった人であっても、祀りごとを行う意思がある限り、祭祀承継をすることに何ら法的問題はありません。

なお、自身の祭祀承継者については、生前に指定したり遺言で指定することが出来るのですから、法定相続人以外であっても、自分が心から信頼出来る人物を承継者に指定し、その人物に遺言で充分な遺産を与えた上で、死後の墓守をお願いするのも一つの方法です。

また最近は、少子化の影響を受けて、将来の墓守がいなくなる場合に備えて「永代供養墓」への納骨を希望される方も多いようです。

これは、永代供養料をお寺に事前に支払い、他の方と同じ墓に合祀されるタイプのお墓で、墓守をする人がいなくてもお寺が責任をもって永代供養してくれることになります。

同じ墓に入る方同士の生前の交流会が開かれるなど、様々な心安らぐイベントが用意されていることもあるようですから、場合によっては検討するのも良いでしょう。

但し、永代供養料や供養期間、供養の内容などについてしっかり説明をうけて、間違いの無いお墓を選択する必要があります。

 

私には子供がおらず、お墓を引き継いでくれる人がいません