親の墓を、一部は近所の墓所に、一部は京都のお寺に分骨しようと思うのですが、どうすれば良いですか
複数のお墓に遺骨を分けて納めることを、「分骨」と言います。
東日本ではあまりなじみのない風習のようですが、西日本では遺骨の一部を宗派の総本山に埋葬し、残りを家の墓に埋葬する方法が、特に信心深い信仰者などの間で、良く行われます。
遺体を火葬する段階で分骨が決まっている場合は、前もって火葬場の係員にその旨を告げ、分骨証明書を発行してもらい、総本山に納骨する際に、墓地の管理者に分骨証明書を提出することになります。
一方、既に墓地に納骨されている遺骨を改めて分骨する場合は、元となる墓地の管理者にその旨を申し出て分骨証明書を発行してもらう必要があります。
また、遺骨を移動する前に法要を執り行ってもらうことにもなるでしょう。
また、本骨を移動させず、あくまで遺骨の一部のみを分骨するのであれば、特に行政への届出等(改葬手続)は不要です。
なお、この場合、遺骨の所有権は祭祀承継者が承継することになりますので、祭祀承継者が同意している場合、親族全員が了解しているような場合はともかく、そうでない場合には注意する必要があります。