【解決事例7】相続人のうち1人が遺産分割協議への一切の協力を拒んだ事案
事案の概要
被相続人の主な遺産は自宅土地建物であり、一方、法定相続人は被相続人の子ら10名であった。
遺産分割の方法としては、相続人の1人が自宅土地建物を取得し、代償金を他の相続人に分配する方法が考えられた。
しかし、相続人のうち1人が「遺産分割協議なんて面倒臭い。」「自分を巻き込まないで欲しい。」などと言って、一切の協力を拒んだ。
事案の問題点
このままでは遺産分割協議が全く前に進まず、更には2次相続が発生するようなことがあると、ますます相続関係が複雑化することが懸念された。
話し合いを切り上げて、遺産分割調停を起こしても、相手方が欠席する限りは遺産分割審判に移行せざるを得ず、それなりの時間と費用を要する可能性があった。
解決のポイント
相談者は弁護士に依頼し、急いで遺産分割調停を申し立てたが、相手方は調停期日を欠席した。
そこで家庭裁判所の職権行使を促し、「調停に代わる審判」を出してもらった。「調停に代わる審判」とは、調停の成立が見込めない場合に、家庭裁判所が独自に解決案を示すことで、それに対して2週間以内に異議が出されなかった場合は、審判内容は確定することになる。
これにより、第一回調停期日で手続は終了、相手方も異議を申し立てなかったので、極めて短い時間(1カ月半)と費用で遺産分割協議をまとめることが出来た。