【解決事例9】相続財産に高額の土地があったが、相続人の一人が協力しないため、遺産分割協議が前に進まない
事案の概要
相続財産としてかなり高額の土地があり、法定相続人は5人であった。
分割方法としては、土地の現物分割は不可能であり、売却して代金を5等分するしか無かったが、相続人の1人が全く協力しようとせず、遺産分割協議は前に進まなかった。
事案の問題点
相続人の一人が協力しないため、遺産分割協議が前に進まない。
また、換価分割(相続人全員が連名で土地を売却して代金をそれぞれ取得する。)を行う旨の調停が成立したとしても、いざ売却する際に相続人の一人の協力を得られるか、不透明であった。
解決のポイント
相談者は弁護士に依頼し、遺産分割調停を申し立てた。
そして、換価分割ではなく、相続人の代表者1人が土地を取得し、売却代金を残り4人に分配する方法(代償分割)で遺産分割調停を成立させた。
これで、非協力的な相続人の意向に左右されず、売却手続を行うことが可能になった。
なお、このような方法は、代償分割と言っても換価分割との区別が困難であるため、事前に税務署に相談し、誰に不動産譲渡所得税が課せられるのか明らかにしておいた(代償分割=土地を取得する相続人1人が納付、換価分割=法定相続人5人がそれぞれ納付。)。
結局、土地を取得する相続人が1人で不動産譲渡所得税を納付することになったが、それによって上昇する健康保険料を試算し、それを他の相続人に負担させた。
不動産の相続は金額が高額であり、課税の問題もシビアなものになるため、専門家による丁寧な対策が必要不可欠です。